🍇ワインを造ろう!11月特別編

2年ぶりのアルバ・トリュフ ツアー

2009年のジュネーブ日本倶楽部(JCG)設立10周年記念にワインクラブが企画しました!


2009年11月21日(土)~ 22日(日) 

多彩な行事で忙しかった本年1年の努力に報いるため(?!)、11月21日から1泊2日の日程でトリュフ・ツアーと称したワインクラブ親睦会が開催されました。30名が参加した今回のツアーは、ワイナリー(2ヶ所)、グラッパ蒸留所(1ヶ所)、そして豪華トリュフ・ディナーの4本立てとなりました。
北イタリア・アルバのホテルで現地の日本人コーディネーターと合流し、貸切バスで最初に向かったのはソルド・ジオバンニ さんのワイナリー!68ヘクタールのぶどう畑を所有するソルドさんは、伝統を守りながら大規模な機械化で効率的なワイン造りを実践しています。機械化により、ぶどうの収穫期を除き普段はたった3名でワイナリーを管理しています。
ピエモンテ州では、霧を意味するネッビオーロ(Nebbiolo)という品種のぶどうが栽培されていますが、これは、昔、霧の出る頃(11月)に収穫されたことが名前の由来となっています。しかし、近年は収穫が霧が出る前の10月に行われており、気候変動のせいなのかなぁと、ソルドさんはおっしゃっていました。収穫されたぶどうは液循環方式で発酵が行われた後、熟成用の大樽へと移されます。ネッビオーロ種から造るワインはタンニンを多く含むため熟成には長い時間がかかるのとのことでした。さて、ワイナリー見学の後は、お待ちかねの試飲タイム、次々に出されるワインに、一同早くもほろ酔い気分。

ワイナリーの観察

次に向かったのは、1885年創立というピエモンテ州で最も古いマリオ・モンタナロ ・グラッパ蒸留所!中に入ると、時代を感じさせる蒸留装置が目に飛び込んできました。グラッパは果汁を搾った後のぶどうのカスで作るため、10月~3月までが仕込みの時期です。ぶどうの搾りカス300kgが一台の蒸留装置に入れられ、下から蒸気を送り込み、ゆっくりと香りと味を引き出していきます。1時間後、エキス分を含んだ蒸気は次の工程へと送り出されます。そこで、飲めるエチルアルコール、飲めないメチルアルコール、水へと分離され、飲めるものがグラッパとなって貯蔵用タンクへ送られていきます。なお、飲むと害のあるメチルアルコールは化学工場へ送られて安全に処理されるそうです。グラッパの熟成には2通りの方法があり、樽で熟成すれば琥珀色のグラッパ、ステンレス槽で熟成すると透明のグラッパとなります。ちなみに、蒸留された直後のグラッパはアルコール度が85度もあり、これを水で割って40~50度にして出荷しているそうです。現在販売されている一番古いものは1962年産!誰もが納得する美味しさでした。そうそう、試飲させていただく時は、色の薄いものから濃いものへと飲んでいくのがルール。お間違いのないように…。

さあ、次の訪問場所へ!

時代を感じさせるグラッパ蒸留装置

そして、最後に訪れたのがグリマルディ・ルイジノさんのワイナリー。ここは家族経営のこじんまりしたワイナリーで年間約25万本のワインを生産しています。ワイナリーを見学しながら、バルベーラ(Barbera)は8プラス1~2日間、バローロ(Barolo)は20日間で発酵させ、その後、バルベーラは1年、バローロは3年かけて熟成させるというように厳格に決まっている発酵期間の説明を受けました。
この期間を遵守することではじめて「DOCG」ワインを名乗ることができ、品質と伝統を維持していることが分かりました。今回の訪問では、熟成に使用されている木製(ナラ、カシの木)の大小の樽を見ることができました。小さい樽で熟成させたものは早く飲み頃となることや、ワインにバニラの香りをつけることができる、など樽による熟成の違いも教えていただきました。そして、もちろん試飲へ。バローロに加えてここで人気があったのは、ぶどうジュースのような風味を残したモスカト(Moscato)という甘口白ワイン。のど越しが良いので、飲みすぎにはくれぐれもご注意を!

並んだ琥珀色のワイン

熟成に使用される樽が並びます。

さて、一度ホテルに戻り、今回のメインイベント、トリュフを食べに!アルバ郊外のタナロ川の向こう岸の町カナーレの 「All’Enoteca」というレストランへ出発!若きシェフ、ダビッド・パルダの手による、前菜4品、パスタ2品、メイン、デザート2品というフルコースを堪能しました。もちろん、白トリュフのたっぷりかかったタルタルステーキや卵パスタは、絶品でしたが、それ以外の生ポルチーニ茸や牛肉の煮込みなども素晴らしく、4時間があっと言う間に過ぎ去ってしまいました。
翌日は、アルバの街を散策しながら、生パスタやトリュフオイルなど楽しいお買い物をし、一同帰途につきました。夢のようなひと時でした!

豪華なトリュフ料理に満足顔

白トリュフのせタルタル・ステーキ


覚えた言葉
ネッビオーロ品種
ピエモンテ州ではネッビオーロ品種のぶどうが栽培されています。ネッビオーロは「霧」を意味します。昔、11月の霧の出る頃に収穫されていたからです。近年では、霧の出る前の季節(10月)に収穫が行われるようになり、これも気候の変動のせいでしょうか。ネッビオーロ種から造るワインは、タンニンを多く含み、熟成には長い時間がかかります。


ツアーの思い出

北イタリアのアルバでワイナリーの見学です。

白トリュフのせ卵パスタ。美味しそう!